書きためたのはってく
その日の朝も立派にブスであった。
前の晩にガッキーと顔が入れ替わらないか念じたが無駄だった。
年齢もまだ一応20代だが”アラサー”という大きな下り坂が見え始めている。
このままこんな風に無駄に年を取っていくんだろうかと思うと強烈に虚しくなった。
そこで思いついたのだ「お見合いパーティーに行こう」と。
男さえできればニートなことに負い目を感じることもなく、
恋してお肌ツルツルのキュートガールになり人生万事うまくいくと思ったからだ。
早速ネットで予約。女は無料、1人参加向けのパーティーを予約した。
これでぼっちのクリスマスとはおさらばだ。
ブスまで読んだ
初めてなので開場時間より早く着いてしまって誰も並んでいなかった。
ここかな?と思って部屋の扉を開けたら「この部屋はパーティーの最中ですので」とスタッフさんに素早く扉を閉められた。
私が参加するのは別の部屋だった。
開場時間が来て受け付けをすませる。
そこであることに気付く。 人が全然いねえ
最終的にこのパーティーに来てたのは男4人、女6人(私含む)だった。
メンツはこの通り
男 遊んでそうな40前
キム兄似
高卒
ボーッとしてそうな同い年
女 私(ニート喪女)
普通
ギャルっぽい
ロリっぽい
地味もさ
デブ
男はイケメンはいないが見た目はおおむね許容範囲といった感じだった
女はギャルとロリがわりと可愛かった
仕事欄に無職と書くのは憚られたので前の仕事をかいておく。
非正規だったので大して変わりないだろう。
趣味はプリパラ(女児ゲー)だが、誰にも伝わらないと思って
カラオケとか無難なものを書いておいた。
プロフィールを書き終わったあたりで時間が来て始まる。
まずは男と3分ずつローテーションで1対1の会話をする。
最初に目の前に座っていたのは遊び人だった。
プロフカードを交換してお互いのプロフを見る。
40前とは思えない字の下手さだった。
身なりは4人の中で一番いい感じだった。
この人とは「人少なすぎません?」みたいな雑談めいた話をして終わった。
体格はよさげ(デブではない)だが気は小さそうだった。というか押しが弱そう。
悪い人ではなさそう、というか美人に高い絵とか売りつけられたら買いそうな感じである。
RPGが好きと言っていたのでドラクエの話をした。
女の方が多いので誰もつかない時もあった。
その時、スタッフに「次の時間のパーティーに女性が足りないので出ませんか?」と言われたが断った。
正直開始時点で帰りたかった。ぶっちゃけ今も帰りたいが途中退場は不可らしい。
次はキム兄似。
プロフカードの字はこの人が一番上手かった。
でもキム兄に似てるのでDVしそうだな…とか勝手なことを思っていた。
韓国ドラマが好きだと書いてあったのでその話をした。母が一時期ハマっていたので。
同い年で、なんと公務員だった。職業を見ると途端に良く見えてくる。
でも野球観戦が趣味だったのでスポーツに疎い私はついていけず。
最後の方で漫画は読む?と聞かれたので「最近笑ゥせぇるすまんを読みました」と言った。乙女の読む漫画じゃねえ
しかしその前に読んだのは日野日出志の漫画だったのでそれよりはマシだ。
一通りローテしおわったので好印象の人を3人まで記入できるカードと
もうちょっと仲良くしたい人に送るアプローチカードを書く時間になる。
私は特に誰も書かなかった。
スタッフが回収して見た後に再分配される。
好印象カードは遊び人と高卒とキム兄から印をつけられていて、
高卒からはアプローチカードも来ていた。
通常なら自由に席をたって会話するフリータイムらしいが
なんせ人が少ないので前半と同じローテ形式での会話になった。
また最初は遊び人。
「戻ってきたよ」と言ったので「おかえりなさい」と言っておいた。
お互いの好きなタイプの話などをした。
「でも今まで付き合った子は大人しめの子が多いかな」と言ったところは、
人を見て言ってるなーなかなかこなれた奴だと思った。
次は高卒。
「ゲームの話できる女の人あんまりいないから嬉しい、どこか行きましょうよ!」
とノリノリだった。後はお互いの非リア話をしたりした。
ロリはハロヲタらしかった。男性陣は意外と引いていた。
男アイドルが好きなのよりはマシだと思うが、ディープな趣味は理解しがたいものなのだろうか。
普通ちゃんはボーちゃんと盛り上がっていた。あの二人いい感じだなと思った。
んでキム兄の番。
カラオケともう1個テキトーに書いた趣味について掘り下げて聞いてきた。
キム兄とあまり会話したくなかったのもあってその趣味について1人で長々語っておいた。
でも一応ちゃんと聞いてくれた。
そして最後の最後、ボーちゃん。
漫画の話をしたが、これもまた微妙に趣味が合わなかった。
ドラゴンボールが好きだと言っていた。普通だ。
見た目よりかかなり普通の人だった。
でも結局私は何も書かずに提出した。
強いていえば一番話しやすかったのは高卒だが、私は4大卒だしちょっとな…と思ってしまった。
気が弱そうなところもいざ外で会うとぐだぐだしてイライラしそうだとも思った。
婚活で怖いところはここである。自分が”選ぶ側”になったような気がしてしまう。
現実では誰にも相手されない喪女のクセにここに来てこの上から目線である。
王子様や金持ちが良いと思っていたわけではないが、
ほどよく自分に合ったいい人なんていうのもまた幻想で、なかなかいるものではない。
ましてやこんなところに来る人間の中になんて。
成立したのは一組。キム兄とギャルだった。
ええっ! 普通ちゃんとボーじゃんじゃないの!?
まあキム兄とギャルもお似合いではあるが…
男が先に退場していった後に女が出て行く。
男性陣が出て行った後、普通ちゃんはなんだかふてくされた表情になっていた。
私は特に何も思うことなく会場を後にした。
外は思ったより寒くはなかったが、
クリスマスのことを思うとなんだか寒くなったような気がしてコートのボタンを閉めた。
おわりです。
デブは寒くならんだろ
ボーちゃん別の女選んだな
面白かったぞ
特に感想はないよブス
(転載元:http://vipper.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1479013480/)
「ニート喪女がお見合いパーティーに参戦してきた話 」
遊びなれてるやつがブスにそんなこと言うわけないだろ